ピロリ菌検査・除菌

当院のピロリ菌の検査

当院のピロリ菌の検査みずかみクリニックでは、慢性胃炎・萎縮性胃炎、胃・十二指腸潰瘍、胃がんなどの原因となる「ピロリ菌」の感染を調べる検査、及び陽性であった場合の除菌治療を行っています。
ピロリ菌検査は、胃カメラ検査を用いた方法と、用いない方法があります。ただし、保険診療として検査・治療を受けるためには、胃カメラ検査で胃潰瘍、十二指腸潰瘍、慢性胃炎のいずれかの診断を受ける必要があります。

胃カメラ検査(胃内視鏡検査)を使用する場合

口または鼻から挿入する内視鏡によって食道・胃・十二指腸粘膜を観察する「胃カメラ検査」を用いた方法です。

培養法

胃粘膜の組織を採取し、培養し、ピロリ菌の有無を調べます。

鏡検法

胃粘膜の組織を採取し、ホルマリン固定した上で顕微鏡で観察する方法です。

迅速ウレアーゼ試験

胃粘膜の組織を特殊な試薬に入れ、その色の変化を見てピロリ菌の有無を判定します。

胃カメラ検査(胃内視鏡検査)を使用しない場合

胃カメラ検査を用いず、血液・尿・便・呼気から判定する方法です。

血清抗体および尿中抗体法

ピロリ菌に感染すると、ピロリ菌に対する抗体が体内で作られます。血液または尿中の抗体の有無を調べることで、感染を判定します。

便中抗原法

胃に生息するピロリ菌の一部は、便中に混ざります。便中のピロリ菌(抗原)の有無を調べ、判定します。

尿素呼気試験

診断薬を飲む前・飲んだ後の呼気を採取し、それぞれの成分を分析・比較することで胃の中にピロリ菌がいるかどうかを判定します。

胃カメラ検査を用いない方法は簡便ですが、自費診療となります。保険診療として検査・治療を受ける場合には、胃カメラ検査を用いた方法を選択し、胃潰瘍・十二指腸潰瘍・慢性胃炎のいずれかの診断を受ける必要があります。

当院のピロリ菌の
除菌方法・治療法

ピロリ菌検査で陽性であった場合、除菌治療が必要になります。
一次除菌で全体の90%以上が、二次除菌が必要になった場合もそのうちのさらに約90%が除菌に成功します。

一次除菌

胃酸の分泌を抑える薬を1種類、抗菌薬を2種類、毎日2回内服し、これを7日間継続します。
4~8週後に再度ピロリ菌検査を行い、陰性であれば治療は成功です。

二次除菌

一次除菌で使用した抗菌薬のうち1種類を変更し、同様に毎日2回、7日間内服します。
4~8週間後に再度ピロリ菌検査を行い、陰性であれば治療は成功です。
陽性であった場合には三次除菌、四次除菌と受けられますが、三次除菌以降は自費診療となります。

ピロリ菌検査・除菌が
保険診療!?費用の目安

ピロリ菌検査と除菌治療は、条件を満たすことで、保険診療として受けることができます。

保険診療の場合

条件について

胃カメラ検査を行い、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、慢性胃炎の診断を受けた場合には、検査・治療に保険が適用されます。保険が適用された場合の患者様の負担額の目安は、以下の通りです。

費用の目安

  1割負担 2割負担 3割負担
ピロリ菌検査・除菌治療 約1,500~2,000円 約3,000~4,000円 5,000~6,000円

自費診療の場合

「ピロリ菌感染しているか調べたい」「胃がんの予防のためにピロリ菌検査を受けておきたい」などご検討の方は、当院の医師にご相談ください。

ピロリ菌
(ヘリコバクター・ピロリ)とは

ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)とはピロリ菌とは、人の胃粘膜に生息する細菌です。
ピロリ菌に感染すること自体は珍しくありません。感染してもほぼ無症状であるため気づかずに過ごす人が大半ですが、長く感染していることで、慢性胃炎や胃・十二指腸潰瘍、胃がんなどのリスクが高まります。
ただ、感染していても除菌治療を受ければかなりの確率で除菌ができます。
正しく対処すれば、決してこわくないのがピロリ菌です。症状がある方はもちろんですが、無症状であってもピロリ菌検査を受けたことがない方、家族のピロリ菌感染が判明した方は、ピロリ菌検査を受けることをおすすめします。

ピロリ菌感染症の症状

ピロリ菌の感染が続き、以下のような病気を発症した場合には、さまざまな症状が現れます。また、ピロリ菌感染の初期に急性胃炎を発症することもあります。

ピロリ菌感染により引き起こされる病気

ピロリ菌の感染により、以下のような病気のリスクが高くなります。

急性胃炎

ピロリ菌に感染した初期に、強い急性胃炎を発症することがあります。
突然の強い胃の痛み、膨満感、不快感、胸やけ、嘔吐などの症状が見られます。出血し、吐血・下血に至ることもあります。
急性胃炎はその他、慢性胃炎の前段階として現れることもあります。
いずれの場合も、すぐに胃カメラ検査を受けることをおすすめします。

慢性胃炎

ほとんどがピロリ菌の持続感染を原因として発症します。
症状としては、胸やけや胃もたれ、胃・みぞおちの痛み、食欲不振などが挙げられます。

萎縮性胃炎

慢性胃炎を放置することで発症するのが、胃粘膜が萎縮し薄くなる萎縮性胃炎です。慢性胃炎と同様、ほとんどがピロリ菌の持続感染を原因とします。
胸やけや胃もたれ、胃・みぞおちの痛み、食欲不振など、慢性胃炎による症状が主となり、萎縮性胃炎特有の症状というものはありません。

胃潰瘍・十二指腸潰瘍

ピロリ菌の持続感染が最大の原因となります。その他、非ステロイド系抗炎症薬の副作用、暴飲暴食、ストレス、喫煙なども原因として挙げられます。
腹痛、倦怠感、黒色便(下血)、貧血、吐血などの症状が見られます。腹痛は、胃潰瘍であれば食後に、十二指腸潰瘍であれば空腹時に強くなる傾向があります。

胃がん

近年、胃がんとピロリ菌との深い関係が指摘されており、胃がん患者の約99%にピロリ菌がいたという報告もなされています。他の原因としては、喫煙、塩分の摂り過ぎなどが指摘されています。
胃がんは初期症状に乏しく、ある程度進行してから胃やみぞおちの痛み、胸やけ、食欲不振、吐き気などが見られるようになります。

ピロリ菌の
感染経路は?原因は?

ピロリ菌は、汚染された水、食べ物を口にすることでヒトに感染するものと考えられています。考えられている、というのは、現在の日本ではそういった水・食べ物を口にする機会がほとんどないためです。またピロリ菌に感染するのは5歳未満の子どもがほとんどで、それ以上の年齢となり免疫力がついていると、うつされる心配はないとされています。そのため国内での感染率は低下の傾向が見られますが、今現在も感染は確実に起こっています。
その最大の原因と考えられるのが、親から子への食べ物の口移し、箸・スプーンなどの共用です。一度でも感染すると、除菌治療をしない限り感染は持続し、慢性胃炎や萎縮性胃炎、胃・十二指腸潰瘍、胃がんなどのリスクを高めてしまうのです。
ご自身の健康を守るため、また次の若い世代への感染を防ぐためにも、私たち大人一人ひとりがピロリ菌検査を、そして陽性であった場合には治療を受けることが大切になります。

ピロリ菌感染症を
予防するには?

ピロリ菌の感染を予防するためには、その最大の原因と考えられる家庭内での感染の機会をなくすことが重要になります。

家庭内での感染の機会をなくす

家庭内では子どもに感染させないことを考えます。
食べ物をやわらかくするために大人が噛んでから子どもに与える、大人が使った箸やスプーンで食べさせるといった行為は避けるようにしてください。

その他、注意すべきこと

便に含まれていたピロリ菌による経口感染、不十分な滅菌処理による院内感染なども起こり得えますが、現在の国内の衛生環境、整備された医療ガイドラインにおいては、こういった経路による感染はまずないと言えます。
ただし、発展途上国など海外へと出張・旅行された場合には、水や食べ物を口にする時、医療行為を受ける時には十分な注意が必要です。