健康診断で
要精密検査となった方へ

放置は危険!?
要精密検査となった場合

放置は危険!?要精密検査となった場合健康診断の結果を受け取り「要精密検査」の文字を見たことはありませんか?
会社で受けた健康診断でも、通常は会社から「精密検査を受けてくださいね」と声をかけられたり、「ちゃんと行きましたか?」と確認されることはありません。そういったこともあり、「要精密検査」のまま放置しているという方もいるようです。
「要精密検査」であったからといって、必ず何かの病気であるというわけではありません。せっかく時間をとって健康診断を受けたわけですから、毎日を安心して過ごすため、また病気を早期発見・早期治療するため、必ず精密検査を受けてください。
もちろん、「要経過観察・要再検査」「要治療」という結果であった場合も同様のことが言えます。健康診断の結果の指示には、必ず従いましょう。

健康診断の
結果・判定の見方とは

健康診断の結果では、主に以下のような判定がなされます。

異常なし

検査結果は正常の範囲内でした。さらなる検査や治療は必要ありませんが、引き続き、正しい生活習慣を送っていきましょう。

要経過観察・要再検査

いずれも、検査結果が正常の範囲を超えている状態を意味します。
要経過観察の場合は、来年も同じ検査(健康診断)を受けてください。
要再検査の場合も緊急性はありませんが、できるだけ早いうちに再検査を受けてください。

要精密検査

さらに詳しい検査を行う必要があります。
必ず病気であるというわけではありませんが、早急に精密検査を受けるようにしてください。

要治療

すぐに治療を開始する必要のある異常値が検出されたことを意味します。
医療機関を受診し、診断と治療を受けるようにしてください。

健康診断で指摘されることが
多い項目や病気

健康診断で調べる主な項目、病気についてご説明します。
当院で健康診断を受けていただいた場合には、「異常なし」であった場合も、問診・検査の内容から生活習慣において気をつけるべき点をお伝えしております。ご不明の点がございましたら、お気軽に医師にお尋ねください。

血圧(高血圧症)

「血圧」とは、血流が血管の内壁を押す力のことを指します。
慢性的に血圧が高くなる高血圧症になると、動脈硬化が進行し、狭心症や心筋梗塞、脳卒中などが起こりやすくなります。

血糖値(血液検査)

「血糖値」とは、血液中のブドウ糖の濃度です。食後は誰でも血糖値が高くなりますが、インスリンの働きや量が低下することで、血糖値がなかなか下がらない糖尿病になります。
なお血糖値に関連する項目として、「HbA1c」もありますが、こちらは過去1~2カ月の血糖値が反映されています。
糖尿病になると動脈硬化が進行し、狭心症・心筋梗塞、脳卒中などが起こりやすくなります。また腎症・神経障害・網膜症などの合併症にも注意が必要です。

貧血(血液検査)

「貧血」とは、血液中の赤血球に含まれるヘモグロビンが少なくなった状態です。
極端なダイエット、妊娠・授乳、月経、婦人科疾患、胃潰瘍・胃がん、大腸がんなど、さまざまな原因が考えられます。

肝機能障害(血液検査)

AST(GOT)やALT(GPT)、γGTP、ALP、アルブミン、ビリルビンといった数値に異常がある場合には、肝臓の機能障害が疑われます。
お酒を飲まない方であっても、異常があった場合には再検査や精密検査、また必要に応じて治療を受けましょう。

尿蛋白・尿潜血(尿検査)

「尿蛋白」とは、尿中に必要以上にタンパク質が含まれている状態を指します。糖尿病や高血圧などの生活習慣病に起因した腎臓病などが疑われます。
「尿潜血」とは、尿中に血液が混じっている状態を指します。過労やストレス、月経血の混入などの他、膀胱炎、尿路結石、腎臓がん、膀胱がんといった病気の可能性も考慮する必要があります。

胃レントゲン検査で
「要精密検査」となった方へ

胃レントゲン検査で「要精密検査」となった方へ健康診断などの胃レントゲン検査で「要精密検査」となった場合には、胃炎・胃潰瘍・胃がんなどの病気が疑われます。
要精密検査になったにもかかわらず放置してしまい、胃がんなどの重大な病気の発見・治療が遅れるということはあってはなりません。必ず、精密検査として胃カメラ検査を受けてください。

精密検査として胃カメラ検査が必要な理由

胃炎や胃潰瘍が直接胃がんへと進行することはありませんが、これらの疾患はピロリ菌感染という共通のリスク因子を持っています。
精密検査として胃カメラ検査を受けることで、胃炎・胃潰瘍・胃がんの早期発見、およびピロリ菌検査・除菌治療へとつなげることが可能です。

便潜血検査で
「陽性」となった方へ

便潜血検査の「陽性」は、その便には血液が混じっていたということを意味します。
その場合に疑われる疾患は、大腸がん、大腸ポリープ、潰瘍性大腸炎、クローン病、大腸憩室出血、痔など、多岐にわたります。また食道がんや胃がん、胃・十二指腸潰瘍を原因として便潜血が認められることもあります。
便潜血検査で陽性だった場合には、症状の有無に関係なく、必ず大腸カメラ検査を受けてください。

“様子を見る”ことなく精密検査として大腸カメラ検査を受けてください

便潜血検査で陽性が出た時には、多くの人がビックリします。「大腸がんだったらどうしよう」という気持ちとともに、どこかで「たぶん痔だ」「何かの間違いだ」と思い込もうという心理も働くようです。そういったこともあってか、少し様子を見よう、という方がいらっしゃいます。しかし、万が一大腸がんであった場合、“様子を見る”行為はがんの放置・進行を意味します。必ず、できるだけ早く大腸カメラ検査を受けましょう。
また、「1回目は陽性だったけど2回目は陰性だった」というケースも、大腸がんでないとの証明にはなりません。そもそも、大腸がんが常に出血・便潜血を伴うものではないためです。「陽性だったので肛門科を受診したら、痔と診断されて治療も受けた」というケースも、同様に大腸がんを除外できたことにはなりません。
大腸カメラ検査は、現在もっとも大腸がんを早期に発見し、正確な診断ができる検査です。

検査の結果が悪かった方は、
是非当院へご相談を

「要再検査」や「要精密検査」という判定が出た場合、その再検査・精密検査を受ける医療機関は患者様がご自由に選ぶことができます。当院では、精密検査として胃カメラ検査・大腸カメラ検査にも対応しております。ぜひ、お気軽にご相談ください。
※会社の健康診断などでは、医療機関を指定されることもあります。

健康診断を受けた医療機関で再検査・精密検査を受ける場合

健康診断で一度利用しているため、スムーズに再検査・精密検査が受けられます。
ただし、胃カメラ検査・大腸カメラ検査といった精密検査に対応していない場合は、結局は紹介が必要になるということもあります。

健康診断を受けたのとは別の医療機関で再検査・精密検査を受ける場合

信頼できる医療機関を見つけられれば、安心して再検査・精密検査を受けることができます。ただし、健康診断を受けた医療機関から紹介状を書いてもらう必要があります。
なお当然のことですが、精密検査を受ける場合には、その精密検査に対応していることを事前に確認しておきましょう。