アレルギー
(アレルギー検査)

当院のアレルギー検査とは

当院のアレルギー検査では、採血を分析することで、花粉、ハウスダスト、食物、ダニ、犬・猫、真菌などに対するアレルギーの有無を調べます。
種類としては、結果がすぐに出る「イノムキャップ ラピットアレルゲン8」と、1回の採血で多項目を調べることのできる「VIEW-39」をご用意しております。また、その結果に応じたアレルギーの治療にも対応しております。
アレルギーの疑われる症状にお困りの方は、ぜひ一度、みずかみクリニックにご相談ください。

特定のアレルゲンにより産生する「特異的IGE抗体」とは?

みずかみクリニックのアレルギー検査では、血液中の「特異的IgE抗体」を測定することで、アレルギーの診断を行います。
特異的IgE抗体とは、特定のアレルゲン(アレルギーの原因となる物質)が体内に入った時に作られる抗体です。特異的IgE抗体が作られることで、その後再度アレルゲンが侵入した際に、ヒスタミンなどの化学伝達物質が放出され、さまざまなアレルギー症状が現れます。
アレルギー症状の“引き金”となる特異的IgE抗体の総量、何に反応するかを調べることが、アレルギーの診断・治療においては非常に重要となります。

アレルギー反応の強さ・体質を表す「血清総IgE」とは?

特定のアレルゲンへの反応ではなく、全体的なアレルゲンへの反応の強さ、体質などを表す数値に「血清総IgE値」があります。値が高くなるほど、さまざまなアレルギー反応が起こりやすい、ということが言えます。
血清総IgE値もまた、採取した血液から調べられます。

基準値

  • 成人:170 IU/ml以下
  • 小児:年齢別に変動
1歳未満 20以下
1~3歳 30以下
4~6歳 110以下
7歳以上 170以下

イムノキャップ ラピッドアレルゲン8

0.1mlというごく少量の採血後、約20分で結果が出ます。お子様でも、安心して受けられるアレルギー検査の1つです。
調べられる項目は、スギ・カモガヤ・ブタクサ・ヨモギ・シラカンバの花粉系5つ、ヤケヒョウダニ・イヌ皮屑・ネコ皮屑のハウスダスト系3つの、計8つです。
※皮屑(ひせつ)とは、フケのことです。

検査結果

即日(20分程度)

採血量

0.1mL

測定項目数8つ

花粉系

  • スギ
  • カモガヤ
  • ブタクサ
  • ヨモギ
  • シラカンバ(属)

ハウスダスト系

  • ヤケヒョウヒダニ
  • イヌ皮屑
  • ネコ皮屑

料金

約3,000円(3割負担の場合)

VIEW-39(多項目同時測定)

5~10mlの採血で、食べ物・花粉・環境・真菌などについて計39項目のアレルギーについて調べられる検査です。
結果が出るまでには採血から数日~1週間ほどかかりますが、多項目について1回の採血で調べられるという点が特徴的です。
なお、アレルギーの強さについても、各項目について7段階で評価されます。

検査結果

数日~1週間程度

採血量

5-10ml

測定項目数39つ

食べ物

  • 卵白
  • ゴマ
  • マグロ
  • オボムコイド
  • サケ
  • 牛乳(ミルク)
  • エビ
  • サバ
  • 小麦
  • カニ
  • 牛肉
  • ピーナッツ
  • キウイ
  • 鶏肉
  • 大豆
  • リンゴ
  • 豚肉
  • ソバ
  • バナナ

花粉

  • スギ
  • ヒノキ
  • ハンノキ(属)
  • シラカンバ(属)
  • カモガヤ
  • ブタクサ
  • ヨモギ
  • オオアワガエリ

環境

  • ヤケヒョウヒダニ
  • ハウスダスト1
  • ネコ皮屑(ふけ)
  • イヌ皮屑(ふけ)
  • ゴキブリ

真菌・その他

  • アルテルナリア
  • アスペルギルス
  • カンジダ
  • マラセチア(属)
  • ラテックス

料金

約5,000円(3割負担の場合)

食物アレルギー

食物アレルギー食物アレルギーは、約90%が12歳までに発症します。一方で18歳以上の発症は、全体の5%に留まります。
12歳までの学童期に発症した場合も成長とともに徐々にアレルギーが改善される、つまり食べられるようになりますが、その期間に適切なアレルゲンの除去によって症状を防いでいくことが大切になります。なお、以前はアレルゲンとなる食物を完全に除去する方法がとられていましたが、現在では「必要最小限」の除去によって、心身の健康を育みながらアレルギーを改善していくのが基本となっています。そしてそのためには、原因となる食品を検査によって正しく把握しておくこと、保護者様と医師が協力して食事の管理を行っていくことが大切になります。
なお当院では、アナフィラキシーの既往がある方への緊急時の対応薬「エピペン」の処方を行っております。万が一の際に自己注射によって投与することで、重症化を防ぎます。自己注射の方法についても事前に指導しておりますので、安心してご相談ください。

アレルギーの主な治療

アレルギーの治療には、以下のようなものがあります。

内服薬

内服薬主に、花粉やハウスダストなどを原因とするアレルギーに対する治療です。
抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬などを使用します。

点鼻薬・点眼薬

点鼻薬・点眼薬鼻、眼に症状が現れている場合には、点鼻薬・点眼薬も使用します。
抗アレルギー薬などが含まれています。

貼り薬

花粉やハウスダストによるアレルギー性鼻炎に対する治療として、貼り薬も登場しています。
1日1回貼ることで、24時間効果が持続します。内服薬のような水が不要、投与する(貼る)タイミングが制限されない、胃腸への負担がないといったメリットがあります。

アレルゲン免疫療法

少量のアレルゲンの投与によって、徐々に身体を慣れさせる治療の総称です。
当院では、スギ花粉・ダニに対する舌下免疫療法に対応しております。1日1回、舌の裏側に薬剤を投与し、これを毎日継続します。

栄養食事指導

食物アレルギーに対する治療です。
アレルギーの原因となる食物を特定した上で、その食物を必要最小限、除去します。少しずつアレルゲンを身体に慣らしていくことで、食べられる量が増え、またアレルギーも起こりにくくなります。

~吸入アレルゲン別~回避・予防法

ダニ

ダニは、鼻炎や喘息の重大なリスク因子です。治療・予防では、ダニの死骸、フンなどを室内から減らすことが大切になります。

1.寝具を清潔に保つ

週1回はシーツを洗いましょう。またその時、シーツを外し状態の布団・マットレスに掃除機をかけます。

2.高密度織りのシーツを選ぶ

ダニが隙間から通過できないような、高密度で織られたシーツが市販されています。

3.床を小まめに掃除する

少なくとも3日に1回は、掃除機、拭き掃除などによって床掃除をしましょう。

4.ダニの生息しにくい環境をつくる

カーペット、クッション、布製のソファなどは、ダニの生息に適しています。使用を控える、小まめにカバーを洗う、クッションの中身を日干しするなどの対応が必要です。

花粉

スギ、ヒノキ、カバノキ、イネ、ブタクサ、ヨモギなど、ご自身が何の花粉のアレルギーを持っているかを把握し、その花粉が飛散する時期に適切な対応をとることが大切です。

  1. 花粉の飛散予想をテレビ・ネットで確認し、外出を伴う用事はできるだけ飛散量の少ない日に済ませる。
  2. 外出時にはマスク、眼鏡(ゴーグル)の着用する。帰宅後、マスクは破棄し、眼鏡は適した方法で洗う。
  3. 帰宅時、衣服、髪の毛についた花粉を、玄関の外で払い落としてから入室する。
  4. 帰宅後、着ていたものは脱いで洗う。上着など頻繁に洗えないものは、玄関近くで保管する(部屋の奥まで花粉を持ち込まない)。
  5. 帰宅後、手洗い・うがいはもちろん、洗顔・入浴もできるだけ早いタイミングで行う。
  6. 花粉の飛散量の多い日は窓を開けない、洗濯物の屋外干しを控える。
  7. 室内の小まめな掃除、寝具の小まめな洗濯。

ペット

ペットを飼わないことが、何よりのアレルゲンとの接触回避の方法となります。
すでにペットを飼っている場合には、家族に世話をしてもらう・接触を控える・(可能な場合)屋外飼育する・室内飼いの場合も寝室だけには入れない、などといった対策が必要です。
イヌやネコだけでなく、ウサギ、モルモットなどが原因となることもあります。

真菌(カビ)

真菌には、アスペルギルス、アルテルナリア、マラセチア、カンジダなどの種類があります。
アレルギー性鼻炎、喘息、アトピー性皮膚炎など、さまざまなアレルギーの原因となります。
真菌対策としては、水回り、ベッド・布団などを清潔にし、カビの生えにくい環境を維持することが大切になります。

ガ(蛾)、ゴキブリなどがアレルゲンとなります。
ガというと、大きな翅を持ったガをイメージするかもしれませんが、ここで主に問題となるのは食品を害する体長約8ミリの「メイガ」、衣類に発生する体長約5ミリの「イガ」という小さなガです。キッチンや寝室・クローゼット、押し入れなどを清潔にすること、換気をして湿度を管理することなどが大切になります。
ゴキブリについては、防虫剤や殺虫剤による、一般的なゴキブリ対策が有効となります。

その他

穀物の粉塵、抗菌薬、ホルマリン、ベイスギ、イソシアネート、エポキシ樹脂などがアレルゲンとなることもあります。
これらとの接触のある職場で働く人にとっては、注意が必要となります。