便潜血陽性・血便・下血
(お尻から出血)

便潜血陽性の方は
受診しましょう

便潜血陽性の方は受診しましょう大腸がん検診、健康診断などで行われる便潜血検査で「陽性」であった場合には、大腸の病気や痔などが疑われるため、精密検査として大腸カメラが必要となります。必ず、大腸カメラ検査に対応している医療機関を受診してください。
なお当院では肛門科も開設しておりますので、痔の診断・治療が必要になった場合も安心です。

このような方は要注意です

  • 最近受けた便潜血検査で陽性だった
  • 去年の便潜血検査で陽性だったが、今年は陰性だった
  • 大腸がん、大腸ポリープの家族歴がある
  • もともと血便がある、黒い便が出た

便潜血検査が陽性の場合に疑われる病気

便潜血検査で陽性であったということは、便の中に血液が混じっていたということです。つまり、食道から大腸および肛門までの消化管のいずれかで、出血があったということになります。
そのため、主に以下のような疾患が疑われます。その他、割合としては少ないものの、胃がんや胃・十二指腸潰瘍、食道がんによって陽性なることもあります。

大腸がん

便が通過する等に擦れて出血を起こすことがあります。ただし、出血を伴わない大腸がんも存在するため、便潜血検査で陰性だったからといって、大腸がんでない、とは言えません。

大腸ポリープ

ポリープが大きくなると、便と擦れて出血を起こすことがあります。大腸ポリープは腫瘍性ポリープと非腫瘍性ポリープに大別されますが、腫瘍性ポリープはがん化のおそれもあるため特に注意が必要です。当院であれば、大腸カメラ検査の際にその場で切除することが可能です。

潰瘍性大腸炎

大腸粘膜にびらんや潰瘍が生じる難病です。病変部はちょっとした刺激でも出血を起こしてしまうため、その場合には血便が認められたり、便潜血検査で陽性が出たりすることになります。

痔は大きく、いぼ痔・切れ痔・あな痔の3つに分けられ、いずれの場合も便潜血検査で陽性が出ることがあります。当院では肛門科も開設しておりますので、診断・治療が可能です。

いぼ痔(内痔核・外痔核):いぼ状の腫れが生じます。直腸粘膜にできる内痔核と、皮膚側にできる外痔核に分けられます。
切れ痔(裂肛):肛門の皮膚が切れるタイプの痔です。
あな痔(痔瘻):肛門と直腸のあいだの歯状線に存在するくぼみ(肛門陰窩)に便が入り込むなどして感染を起こし、お尻の皮膚とつながるトンネルが形成される痔の一種です。

便潜血陽性のときは大腸カメラ検査を実施します

便潜血検査で陽性だった場合に疑われる大腸の疾患(大腸がん・大腸ポリープ・潰瘍性大腸炎など)はいずれも、大腸カメラ検査による診断が可能です。自覚症状がなくても、必ず精密検査として大腸カメラ検査を受けてください。
自覚症状のない段階で発見できるということが、早期治療へとつながります。

血便・下血(お尻から出血)
している方へ

血便・下血(お尻から出血)している方へ血便・下血、あるいは便潜血という言葉は、似た意味で使われますが、厳密には異なる状態を指しています。
ただし、いずれも検査・診断が必要な状態であることには変わりません。

血便・便潜血・下血について

血便とは

血便とは、大腸・肛門からの出血が、便に混じっている状態を指します。通常、血液は鮮やかな赤色~暗い赤色として、肉眼で視認できます。

便潜血とは

便潜血とは、消化管のいずれかでの出血が、肉眼では分からないくらいのわずかな量、便に混じっている状態を指します。便潜血検査で陽性が出た場合に「便潜血がある」と言います。

下血とは

下血とは、食道や胃、十二指腸からの出血が、便に混じっている状態を指します。肛門から排出されるまでに時間がかかることから、黒色便(タール便)となることが多くなります。

こんな血便症状は危険!?病院へ行くべき目安とは?

こんな血便症状は危険!?病院へ行くべき目安とは?
  • 明らかに血液が便に混じっている
  • トイレットペーパーに血がついた
  • 血液のようなものが便に付着している
  • 黒色便(タール便)が出た
  • 下痢に血液が混じっている
  • 赤くネバネバした便が出た
  • 便器が真赤になるほどの出血

明らかな血液が認められた場合、血液かもしれないものが出た場合には、他に症状がなくても医療機関の受診が必要です。

あなたの血便は何色?疑われる病気

便潜血検査で陽性だった場合に見つかる病気として、もっとも多いのが痔です。
一方で、30~40%の方に大腸ポリープが、3~4%の方に大腸がんが見つかるのもまた事実です。陽性だったからといって重い病気だと決めつけて不安になる必要はありませんが、必ず、出血の原因を突き止め、適切な対応・治療をすることが大切になります。
なお、血液の色や他の症状などから、原因疾患のおおよその見当をつけることも可能です。

真っ赤な血(鮮血便)

出血部位 疑われる病気 症状
肛門 切れ痔(裂肛) 肛門部に時々痛みあり
直腸 いぼ痔(内痔核)
直腸がん
直腸ポリープ
潰瘍性大腸炎
直腸潰瘍 など
腹痛や粘血便などを伴うこともあり

暗めな赤い血(暗赤色便)

出血部位 疑われる病気 症状
大腸 大腸がん
大腸ポリープ
ほぼなし~
便通異常
貧血
腹部膨満感 など
虚血性腸炎
感染性腸炎
潰瘍性大腸炎
クローン病 など
ほぼなし~
腹痛
発熱
下痢
粘血便 など
大腸憩室出血 なし
小腸 小腸潰瘍
メッケル憩室出血
なし~
腹痛
貧血

黒っぽい赤い血(黒色便)

出血部位 疑われる病気 症状
胃潰瘍
胃がん
胃ポリープ
ほぼなし~
貧血
腹痛
十二指腸 十二指腸潰瘍
がん
ポリープ など
ほぼなし~
貧血
腹痛
食道 食道がん
逆流性食道炎
食道静脈瘤破裂 など
ほぼなし~
心窩部痛・食道閉塞感・貧血

血便は肛門から?大腸から?

肛門、大腸からの出血による血便があった場合には、以下のような病気が疑われます。

肛門の病気の場合

いぼ痔(内痔核・外痔核)

いぼ状の腫れが生じます。直腸の粘膜にできたものを内痔核、皮膚側にできたものを外痔核と呼びます。
排便時のいきみ過ぎ、慢性的な下痢・便秘、長時間のデスクワーク・運転、妊娠・出産などを主な原因とします。

切れ痔(裂肛)

慢性的な下痢・便秘を主な原因として、肛門の皮膚が切れてしまう痔です。

肛門ポリープ

切れ痔の治療が不十分であったり、再発を繰り返すことなどを原因として発生するポリープです。

大腸の病気の場合

大腸ポリープ

大腸粘膜に生じるポリープです。便と擦れることで出血します。血便となる場合には、比較的鮮やかな赤色が見られます。

大腸がん

結腸や直腸に発生するがんです。ポリープと同様、便と擦れることで出血し、比較的鮮やかな赤色を伴う血便が認められます。

直腸粘膜脱

直腸を支える靭帯が緩むことで、直腸の粘膜が肛門の外へと脱出してしまう病気です。排便時のいきみ過ぎや加齢による変化を主な原因とします。

潰瘍性大腸炎

大腸粘膜にびらんや潰瘍が生じる、難病指定を受ける病気です。わずかな刺激で出血し、血便になります。

大腸憩室出血

食物繊維の摂取不足などを原因として大腸の粘膜の一部が外側へとくぼみ(大腸憩室症)、もろくなった血管が傷ついて出血した状態です。

虚血性腸炎

大腸粘膜の血流が低下することで炎症が生じ、腹痛、血便などの症状が見られます。便秘、下剤の服用、脱水症状、心不全などが原因となります。

血便・下血の検査

血便や下血がある場合には、以下のような検査を行います。便潜血検査で陽性であった場合も同様です。
当院では、肛門科も開設しておりますので、痔などの診断・治療も可能です。

肛門の検査

肛門の視診、指診、肛門鏡を用いた検査を行います。指診・肛門鏡検査の際には、痛みが出にくいよう、ゼリー状の麻酔薬を使用します。

胃カメラ検査(胃内視鏡検査)

上部消化管からの出血が疑われる場合に行う検査です。
口または鼻から内視鏡を挿入し、食道・胃・十二指腸の粘膜を観察します。疑わしい組織を採取して病理検査を行うことができます。

大腸カメラ検査(大腸内視鏡検査)

下部消化管からの出血が疑われる場合に行う検査です。
肛門から内視鏡を挿入し、大腸全体の粘膜を観察します。疑わしい組織を採取して病理検査を行ったり、がん化のおそれのあるポリープをその場で切除したりすることが可能です。

便潜血陽性や
血便・下血のある方は当院へ
ご相談ください

便潜血検査で陽性であったり、血便・下血が見られるという場合には、消化管のどこかで出血が起こっているということを意味します。炎症、潰瘍、がんなどの異常が起こっているサインですので、必ず医療機関を受診しましょう。
みずかみクリニックでは、大腸カメラ検査・胃カメラ検査だけでなく、痔などの肛門の疾患の診断・治療にも対応しておりますので、どうぞ安心してご相談ください。